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妄想シリーズ【飛遊星のキモチ】



俺の名前は飛遊星だ。




まあ簡単に言えば、夜空に花火が開いたときの光のたった一粒なのだが、菊や牡丹といった花火の星たちは爆発の瞬間にいっせいに放射状に開くのに対して、俺らはチト違う。花火が開いた瞬間に不規則な光の線を残しながら、夜空を自由気ままに飛び交うのだ。




いつもは花火玉にたくさんの飛遊星が込められて打ち揚げられるので、そりゃあ見ている人間には全体としては豪快な花火に見えるかも知れない。しかし、俺ら飛遊星一粒にしてみればあまり目立たない役割なので、どうも気に入らない。






夏も近づき、花火工場も玉造りと打ち揚げの準備に大忙しだ。ひっきりなしにセミの声が聞こえてくる。



そしていよいよ俺の出番。玉に込められる日がきた。



・・・・ふ~む、今回はちと様子が違うようだ。



玉皮の中にぎっしりと割り薬(夜空で爆発する瞬間に花火の星を飛ばす火薬)が詰められているのはいつもと同じだが、何だかキャラクターのような形に星が平面に並んでいる。



「・・・ははぁ、これは型物花火ってやつだな。でも俺の役割は何だろう?」



よ~く見ると、俺の反対側にもう一粒、俺とおんなじ飛遊星が収まっている。




俺は反対側にいるやつに、思い切って声を掛けてみた


・・・・・。
・・・・・。

「何だよ。ちぇっ・・・無視かよ。」



この世の中には、初対面からどうもウマの合わないやつがいるものだ。
まあいい、俺らの仕事は夜空で開花した瞬間にただ自由気ままに飛び交うだけだから・・・。






やがて、俺たちの出番の日がやってきた。
花火会場も人間たちで結構賑わっているようだ。こうこうとした出店の明かりも騒々しい。




いよいよ打ち揚げの順番だ。




俺たちを乗せた玉は、昇り笛付きで回転しながら勢いよく夜空に打ち揚がった。



ついに爆発の瞬間だ!!平面のキャラクターの向きもバッチリ観客の方向を向いているようだ。いいぞ!



続いて俺らも、光の尾を引きながら一気に夜空を泳ぎ回った。






「あっカワイイ!あれな~に、ママ?」花火を見上げる元気な男の子の声。



「あれね、スギ○チっていうのよ!ほら、手が踊っているように見えるでしょ♪」





耳を澄ますと、いつの間にか聴き慣れた女の子のあのやる気のなさそうな歌声の曲がかかっている。「スギ○チダンス」とかいう曲らしいが、何回も聴いているとなかなかいい曲じゃあないか。鼻歌に結構いいかも知れない。




俺たちは、不思議なくらい息もピッタリにしっかりと役目を果たした。スギ○チの手として元気よく飛び回った。ヤッパリ目立つのはちょっと気持ちのいいものだ・・・。







いつの間にか夏も真っ盛り。花火工場のそばの木でセミがうるさいくらい鳴く季節だ・・・。



(完)



※この文章はフィクションであり、事実や実際のものとは一切関係ありません。
※「実にくだらん!」というようなお褒めの気持ちになって頂けると幸いです。
※作者の脳内はいたって普通です。(たぶん)


スギッチ

コメント

Secret

スギ○チの右手さん?

「何だかキャラクターのような」
もしや?
「俺の反対側にもう一粒」
この言葉に感動してウルっとしてしまったのは内緒です。

※読者の脳内もいたって普通です。(きっと)

>伝書鳩さん
鑑賞士試験対策にもなる素晴らしい内容!
続編、期待しまくりですよ!(笑)

あざ~っす^^

>>鎌猫さん
ウルっとして頂けたなら自分も本望です^^
恥ずかしいので、今後続編があるのかも不明ですが・・・。

ス○ッチ

写真、見事にひらいたスギッ○ですねぇ!
思わず「すげーっ」ってつぶやいておりましたww
最初、物語とは思わずに読んでいたので、もう一人このブログのご主人さんがいるのかと思いましたwww

ありがとです^^

>>こさんたっ♪さん
昨年あたりは、結構アチコチの夜空で踊りまくりましたね~^^この画像は大曲新作だったかな?
ブログ記事UP人は花火ハンター1号2号の2人ですが、たまにこのような「もぞ的内容の記事」がUPされるかも知れませんのでご了承をw

プロフィール

でんしょ&トコ(どっちも花火鑑賞士でした)

Author:でんしょ&トコ(どっちも花火鑑賞士でした)

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